松戸で『個人再生』をお考えの方はお気軽にご相談ください!

弁護士による個人再生@松戸

Q&A

個人再生は司法書士と弁護士のどちらに依頼するべきなのか?

  • 文責:所長 弁護士 山澤智昭
  • 最終更新日:2025年8月29日

1 個人再生の依頼先

借金を大幅に減額できる「個人再生」ですが、この申立てをする場合、代理人を付けずに申立人ご自身で手続をすることも法律上は可能です。

しかし、個人再生は債務整理手続の中でも特に複雑であり、必要書類が多く、自力で行なうと手続に失敗するリスクもあるため、現実的には弁護士・司法書士などに依頼することがほとんどかと思われます。

それでは、同じ個人再生でも、弁護士に依頼した場合と司法書士に依頼した場合とでどのような違いがあるのでしょうか。また、「自分はどちらを選ぶべきか」という、依頼先に関する選び方のポイントはあるのでしょうか。

以下では、弁護士と司法書士の違いや、個人再生はどちらに依頼するべきかについてご説明します。

2 弁護士と司法書士の違い

まずは、個人再生手続における弁護士と司法書士の違いについて見ていきましょう。

⑴ 業務の範囲

個人再生手続きにおいては、申立てから手続き完了までの間に申立書類や再生計画案等、何度か裁判所に書類を提出する必要があります。

弁護士も司法書士も、これらの書類を作成することができますので、書類作成の観点では弁護士と司法書士のあいだに違いはないと言えます。

しかし、個人再生を申し立てる裁判所によっては、書類を作成・提出するだけでなく、裁判官や個人再生委員との面接等があります。

この場面になると、弁護士と司法書士のどちらに依頼をしたかでで、手続きの進め方に違いが生じます。

司法書士は、個人再生手続きの代理人となることができません。

そのため、裁判官や個人再生委員との面接に同席することや、代理で出席することができません。

したがって、司法書士に依頼した場合には、そうした手続きは全て債務者自身で対応する必要があります。

また、裁判所が開いているのは平日の昼間なので、ご自身が出席する場合は、仕事を休む必要が生じることもあります。

これに対し、弁護士は、裁判所に提出する必要書類を作成するだけでなく、債務者の「代理人」として、裁判所とのやりとりを債務者に代わって行うことができますし、個人再生委員との面接にも同席することができます。

弁護士に依頼した場合には、手続きの大部分を弁護士が債務者に代わって行なうことができるので、その意味で債務者の負担が少なくなると言えます。

また、個人再生委員との面接の際にも、弁護士がすぐ側にいて、フォローも出来ますので、債務者は安心して面接に臨むことができます。

【扱える金額の範囲の違い】

個人再生では問題になりませんが、代理業務を扱える金額の範囲の違いについても簡単に説明します。

弁護士は、法律業務の全般を行うことが可能で、取り扱える借金の金額などについても上限はありません。

一方で司法書士は、簡裁訴訟代理等能力認定考査に合格した「認定司法書士」のみ、訴訟の目的となる物の価額が140万円を超えない請求事件等について、相談・交渉・和解や訴訟を行なうなどの代理業務を行なうことができます。

これが問題となるのは、任意整理・過払い金返還請求となります(個人再生や自己破産は裁判所を通す手続きなので、訴訟代理権がない司法書士は金額に関わらず代理人になれません)。

つまり、一般の司法書士は、民事事件を取り扱えないだけでなく、仮に認定司法書士であっても、借金の金額が140万円を超える事件の任意整理の交渉は代理できないということです。

⑵ 費用の違い

① 弁護士・司法書士への報酬の違い

個人再生の手続を弁護士や司法書士に依頼した場合には、弁護士や司法書士に対して報酬(弁護士費用・司法書士費用)を支払うことになります。

弁護士と司法書士は、この報酬の金額にも差があります。

実際には、弁護士や司法書士の報酬は一律にいくらと決まっている訳ではなく、事務所ごとに報酬を定めていますので、弁護士か司法書士かという資格の違いだけでなく、「どこの事務所に依頼するか」により、報酬の金額は変わってきます。

ただ、一般的には弁護士の方が対応可能な業務範囲が広い分、司法書士に依頼する場合よりも、報酬がやや高くなっているようです。

② 手続における裁判所費用の違い

個人再生をするにあたっては、弁護士や司法書士に支払う報酬の他に、手続きをするために裁判所に納めなければならない費用が発生します。

具体的には、以下のような費用がかかります。

                             
収入印紙代1万円
官報掲載費用1万2000円程度
※申立先の裁判所によって異なります
郵便切手代
(郵券代)
2000円~4000円程度
※申立先の裁判所や債権者数によって異なります。
個人再生委員の報酬15万円~25万円程度
※申立先の裁判所や代理人弁護士がついているかどうか等によって異なります。

収入印紙代、官報掲載費用、郵便切手代については、基本的に、弁護士に依頼するか、司法書士に依頼するかによって違いは生じません。

ですが、個人再生委員の報酬については、弁護士に依頼するか、司法書士に依頼するかで金額が異なってくる場合があります。

個人再生委員とは、個人再生手続きを監督するために裁判所が選任する弁護士です。

代理人弁護士がついているかどうかで、個人再生委員の報酬の額が変わってきます。

代理人弁護士がついている場合には、基本的に適切な申立てがなされているものと見なされて、個人再生委員の負担も少なくなるので、報酬の額も抑えられる傾向にあります。

また、申立代理人弁護士がついている場合には個人再生委員は選任されず、本人申立ての場合には、個人再生委員が選任されるケースという運用をしている裁判所もあるようです。

これは、本人申立ての場合は、法律の専門家たる代理人弁護士による事実関係の調査や申立書類のチェックが事前になされていないことから、裁判所の立場からすると、法律の専門家たる再生委員を選任した上で慎重に検討すべきとの判断に傾きやすいためと思われます。

司法書士に依頼している場合は、個人再生委員が選任される場合とされない場合があり、そのあたりは裁判所の運用によって異なります。

しかし、弁護士がついている方が個人再生委員の報酬が低くなることがほとんどですので、結果的には弁護士に依頼をした方がトータルの費用が安く済むことがあります。

3 弁護士・司法書士のどちらに依頼すべき?

結局、弁護士と司法書士、どちらに個人再生を依頼するのが良いのでしょうか。

依頼に要する費用の面から考えますと、報酬に関しては、弁護士の方が司法書士よりも高くなるケースが多いようです。

これだけ聞くと、費用を抑えられるならば司法書士に頼もう、と思う方がいらっしゃるかもしれません。

しかし、手続きにかかる費用(裁判所に納める費用)に関しては、弁護士に依頼する方が司法書士に依頼するよりも安く抑えられることがあります。

そうしますと、もちろん依頼する事務所の費用設定の仕方にもよりますが、トータルとしては、弁護士と司法書士のどちらに依頼しても、必要な費用の総額自体はあまり変わらない可能性が高いでしょう。

ただし、これまでにご説明した通り、弁護士に依頼した場合には手続きの多くの部分を弁護士に代行して貰えるし、代理人として面談に同席等もできますので、債務者本人の負担が大きく減ります。

したがって、個人再生においてできるだけ自分の手間を少なくしたい、裁判所とのやり取り等もできる限り任せたいと考えていらっしゃる方は、弁護士にご依頼することをおすすめします。

4 個人再生のご相談は弁護士法人心へ

当法人では、これまでに多数の個人再生の案件を取り扱っておりますので、それぞれのご状況に応じた適切なアドバイスをいたします。

もちろん、個人再生だけでなく、自己破産や法人破産・任意整理などのご相談も可能です。

借金が返済できずにお悩みの方、個人再生をご検討されていらっしゃる方は、まずは一度当法人にご相談ください。

弁護士紹介へ

スタッフ紹介へ