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個人再生のメリット・デメリット
1 個人再生のメリット
⑴ 債務を大幅に減額できる可能性がある
小規模個人再生においては、保有資産の評価額が高額でない場合には、大幅に債務額を減額することができます。
例えば、債務額が100万円以上500万円以下の場合には返済額は100万円に、債務額が500万円超1500万円以下の場合には返済額は5分の1まで減額されます。
⑵ 資産を換価処分せずにすむ
自己破産をすると、一部の例外を除き、債務者の方の資産は換価処分され、売却金は債権者への支払いに用いられます。
個人再生の場合には、資産が換価処分されることはありません。
また、住宅ローンが残っている場合には、住宅資金特別条項を用いることで、自宅を残すことが可能である場合もあります。
⑶ 自己破産における免責不許可事由があっても利用可能
自己破産の場合、ギャンブルや浪費によって借金を作ってしまった場合など、免責不許可事由がある場合には、免責が許可されない可能性もあります。
これに対し、個人再生の場合、自己破産における免責不許可事由に該当する行為があっても、手続きを利用することができます。
⑷ 職業の制限がない
自己破産の場合、破産開始決定が出されて復権を得るまでの間は、就くことができない職業が存在します(欠格事由と呼ばれることもあります。)。
一方、個人再生の場合には、このような制限がありませんので、どのような職業の方でも利用できます。
2 個人再生のデメリット
⑴ 保有資産が多いと事実上利用できないこともある
個人再生の手続きにおいては、清算価値保証原則というルールが適用されます。
これは、債務者の方が保有する資産の評価額以上の金額を弁済しなければならないという原則です。
そのため、保有資産が多い場合、返済額が大きくなってしまい、結局個人再生をしても返済不能となる可能性があります。
特に、住宅ローンの残高が少ない自宅を保有している場合には注意が必要です。
自宅の評価額は、査定額から住宅ローンの残高を控除した金額になりますので、住宅ローンの残高が少ないと、自宅の評価額が高額になる可能性があるためです。
⑵ 官報に掲載される
個人再生を行ったことは官報に掲載されます。
官報を随時読んでいる人は少ないとは考えられますが、個人再生をしたことは、誰でも知り得る状態にはなります。
⑶ 比較的複雑で長期に渡る手続き
個人再生は、いくつかある債務整理の手法のなかでも、複雑なものであると考えられます。
申立書を作成し、債務者の方の財産状況等を裏付ける資料を収集したうえで、裁判所に提出する必要があります。
申立てをし、再生手続きが開始された後も、履行テストや再生計画案の作成など、数か月に渡る作業を行う必要があります。
差押えを受けた状態から個人再生をすることができるか お役立ち情報トップへ戻る